「大人の休日倶楽部」の2026年度第1回5日間乗り放題パスを利用して、初夏を彩る東北・北関東の旅行に行ってきました。今回は、青森を出発して平泉の世界遺産へ向かいます。
1. 一ノ関
一ノ関到着は11時。宿泊先のビジネスホテルに荷物だけ預けようと立ち寄ったのですが、ロビーに着くとチェックアウトが終わったばかりなのか照明もついておらず、「ご用の方はインターホンを」という表示が出ていました。通話ボタンを押し、「荷物を預けたいんですが」と伝えると、「モニターに映っています。了解しました。ロビーの奥に鍵のついたロープがありますので、そこに荷物のハンドル(手持ち)にロープを回して鍵を掛け、鍵を持っていてください」との案内。無人フロントとのやりとりに、時代の変化を感じた出来事でした。
今回はリュックサック(ラッキーにも手持ちのある)一つだけの身軽な旅だったので、スーパーマーケットのビニール袋(準備がいいと自画自賛です)を取り出し、水のペットボトルと帽子、タオルだけを入れてホテルを出発。身一つで一ノ関駅から平泉駅へ向かいました。
2. 平泉駅~無量光院跡~中尊寺
平泉駅に到着すると、まずレンタサイクルを借りました。受付の男性から「観光客ですか?」と聞かれましたが、スーパーの袋しか手に持っていないのですから、当然の質問だったと思います。勧められるまま電動自転車を選び、スーパーの袋を前かごに入れて出発です。
無量光院跡の前を通り、中尊寺の参道前にある駐輪場に自転車を預けて、樹齢を重ねた杉並木の参道「月見坂」を歩き始めました。思っていた以上に急な上り坂で、初夏の日差しの中、じんわりと汗をかきながら本堂前へ。境内で写真を撮った後、いよいよ金色堂へと向かいました。
中尊寺と金色堂
中尊寺は850年に慈覚大師円仁が開いたと伝わる天台宗の寺院で、奥州藤原氏初代・藤原清衡が12世紀初頭に大規模な伽藍を造営しました。境内で最も知られる国宝「金色堂」は1124年の建立で、内外を金箔で覆う「皆金色」の仏堂として知られ、藤原氏四代の遺体が納められています。金色堂を風雨から守る覆堂は、鎌倉時代の正応元年(1288年)に初めて設けられ、現在の鉄筋コンクリート造の覆堂は1965年に建設されたもの。室町時代の様式を伝える木造の旧覆堂(重要文化財)は、金色堂の北西に移築され、現在も見学することができます。中尊寺は2011年、「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。


金色堂を風雨から守る「覆堂(おおいどう)」は、老朽化した木造の旧覆堂に代わって新たにつくられたもので、この際に金色堂本体の解体修理も行われたとのことでした。少し離れた場所に移築された旧覆堂の中では、約30分の解説ビデオが上映されており、往時の修復にあたった職人たちの技術の高さに驚かされました。その後、能楽堂なども見学し、駐輪場へと戻りました。
金色堂旧覆堂


無量光院跡
中尊寺へ向かう途中に通った無量光院跡は、三代・藤原秀衡が京都・宇治の平等院鳳凰堂を模して建立したと伝えられる寺院の跡地です。奥州藤原氏滅亡後に焼失し、現在は建物の礎石や苑池の遺構のみが残されていますが、こちらも「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」の構成資産の一つとして世界遺産に登録されています。

3. 毛越寺
続いて自転車で毛越寺へ。入場口に近い駐輪スペースには、自転車が1台も止まっていませんでした。境内に入ると掲示されている「毛越寺伽藍復原図」が、かつての壮麗な伽藍の姿を伝えてくれ、往時の栄華をしのぶことができました。広々とした敷地には花菖蒲がちょうど見頃を迎えていて、この美しい景色を独り占めできたのは幸運でした。



毛越寺も中尊寺と同じく850年に慈覚大師円仁が開山したと伝わり、平安時代末期に奥州藤原氏二代・基衡と三代・秀衡によって壮大な伽藍が造営されました。最盛期には堂塔40、僧坊500を数え、歴史書『吾妻鏡』に「霊場の荘厳はわが朝無双」と記されるほどの規模を誇ったといいます。度重なる火災で建物はすべて焼失しましたが、大泉が池を中心とする「浄土庭園」と、平安時代の伽藍遺構がほぼ完全な状態で残されており、国の特別史跡・特別名勝の二重指定を受けています。池のほとりの花菖蒲園には明治神宮から株分けされたハナショウブが植えられており、例年6月下旬から7月上旬に見頃を迎えます。毛越寺も中尊寺と同じく、2011年に世界文化遺産の構成資産として登録されました。
参考
- JR東日本 大人の休日倶楽部 公式サイト(https://www.jreast.co.jp/otona/)
- 関山 中尊寺 公式サイト(https://www.chusonji.or.jp/)
- 毛越寺 公式サイト(https://www.motsuji.or.jp/)
- 平泉町「平泉の文化遺産」公式サイト(https://www.town.hiraizumi.iwate.jp/heritage/)
- ひらいずみナビ(平泉町観光協会)(https://hiraizumi.or.jp/)