「大人の休日倶楽部」の2026年度第1回5日間乗り放題パスを利用して、初夏を彩る東北・北関東の旅行に行ってきました。今回利用したパスは会員限定で、6月22日から7月4日の間の連続する5日間、JR東日本フリーエリアを乗り降り自由に利用できるおトクなきっぷです。旅の計画を自由に組み立てられるのが魅力で、今回はその初日の旅先を紹介します。
アクティブになりたい旅好きシニアの私は、今回はアクティブに行動します。
JR東日本「大人の休日倶楽部」とは
50歳から入会できるJR東日本の旅行会員組織(有料)です。多彩な旅行商品や特典の提供、趣味の講座などの活動を通じて会員同士の仲間づくりを応援しています。年齢によって「大人の休日倶楽部ミドル」(満50〜64歳)と「大人の休日倶楽部ジパング」(満65歳以上)の2種類があり、JR東日本線・JR北海道線のきっぷが片道101キロ以上の利用で何回でもミドル会員は5%、ジパング会員は30%割引になります。
1. 仙台
福岡空港から仙台空港に到着し、空港アクセス線で仙台駅へ。新幹線に乗るのは久しぶりで、たぶん十年ぶりくらいです。自宅で旅行開始30日前に「えきねっと」に登録し、今回の大人の休日倶楽部パスを予約しておきました。発券機で「予約済み」のボタンを押し、登録したクレジットカードを入れて発券。ただ、新青森行きの指定席を予約していなかったため、慌てて再度列に並んで指定席のチケットを発券しました。空港アクセス線内で予約しておけばよかったと少し準備不足です。

仙台駅は人が多く、リュックを背負ったシニア世代の旅人たちが、同じように発券機の前で戸惑いながら操作していました。もちろん私もその一人です。
仙台駅で牛タン定食を食べた後、新幹線に乗り込みました。天気が良く、車窓から見える田んぼの区画も広く、水を蓄えた田んぼに青々とした稲が整然と植えられている様子が美しかったです。
2. 青森県立美術館
新青森駅に到着後、コミュニティバス「ねぶたん号」で青森県立美術館へ。美術館は白い建物で、少し年季も入っているのかなと感じました。
ここで見たかったのは奈良美智の《あおもり犬》と《Miss Forest/森の子》。《あおもり犬》は屋外に展示されていて、結構階段の上り下りがありました。写真撮影をする人も多く、人が写り込まないように撮るのにひと工夫が必要です。

一方、「八角堂」に展示された《Miss Forest/森の子》では、埼玉から来たシニアご夫婦から写真撮影を頼まれました。お二人も5日間乗り放題パスを利用しているとのことで、展示場所が少し離れている分人が少なく、八角堂や作品についてあれこれ勝手な解釈で会話を楽しめました。

奈良美智と《あおもり犬》《Miss Forest/森の子》
奈良美智(なら・よしとも、1959年生まれ)は青森県弘前市出身、国内外で活躍する現代美術家です。青森県立美術館のシンボルである《あおもり犬》は高さ約8.5m、横幅約6.7mの巨大な犬の立体作品で、館の西側の屋外空間に設置されています。美術館南側にある「八角堂」には、開館10周年を記念して2016年に公開された《Miss Forest/森の子》(高さ約6m)が収められています。青森県立美術館は1998年から奈良美智作品の収蔵を始め、現在その数は170点を超えます。
大きな吹き抜けのある空間の四面を使ったシャガールのバレエ「アレコ」舞台背景画。この展示を照明とナレーションで紹介する時間があります。タイミングよく観れました。アメリカに亡命し、この舞台幕を制作していた時期のエピソードも印象的です。

シャガールとバレエ「アレコ」
マルク・シャガール(1887〜1985年)は20世紀を代表する画家です。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害を逃れてアメリカへ亡命し、その亡命先で「バレエ・シアター」の依頼を受けて制作したのが、「アレコ」の舞台背景画(全4幕)です。青森県は1994年に第1・2・4幕を収集し、第3幕はフィラデルフィア美術館から借用するかたちで、現在4点すべてを館内の「アレコホール」で展示されています。過酷な状況下でも、詩的で象徴的な世界観へ昇華させた「色彩の魔術師」らしい表現が特徴です。
棟方志功記念館の所蔵作品もここに移転されているため見学しましたが、以前テレビで棟方夫妻を描いたドラマを見ていたこともあり、興味深く鑑賞できました。

棟方志功と記念館の移転
棟方志功(1903〜1975年)は青森市生まれの版画家で、独学で油彩画を学んだのち木版画に転向し、黒と白を基調とした独自の表現で世界的な評価を得た「板画家」です。作品を専門に展示してきた青森市の「棟方志功記念館」は2024年3月31日をもって49年の歴史に幕を閉じ、現在は全作品・資料が青森県立美術館に移され、2倍以上に拡張された棟方志功の展示スペースで顕彰活動が続けられています。
建物が白いことから、トイレの内部も白を基調としていました。個室の中も統一されていましたが、一つのタイルだけ素材が異なっていて、これはアートなのか、それとも補修なのか不明でした。
3. 三内丸山遺跡
ユネスコ世界遺産の三内丸山遺跡は、美術館から歩ける距離にあります。車道沿いに植えられた街路樹は小さなさくらんぼがなる桜の木で、実をつけ、鳥がついばんでいました。通りがかりの地元の方が「食べられるのよ」と教えてくれました。

吉野ヶ里遺跡との比較がふと頭をよぎりました。三内丸山遺跡は野球場整備計画の跡地に、吉野ヶ里遺跡は工業団地整備計画を中止した跡地に、それぞれ発見・整備されたという経緯があり、いろいろな視点から比較してみるのも面白いかもしれません。
三内丸山遺跡は青森市大字三内字丸山にある、縄文時代前期中頃から中期末葉(約5900〜4200年前)の大規模集落跡です。平成4年(1992年)から始まった発掘調査によって、竪穴建物跡や掘立柱建物跡、盛土、墓のほか、多量の土器や石器、木製品、骨角製品などが出土しました。1997年3月5日に国の特別史跡に指定され、2021年7月27日にはユネスコにより「北海道・北東北の縄文遺跡群」として世界文化遺産に登録されました。遺跡内には竪穴建物群、高床建物群、大形竪穴建物のほか、シンボル的な3層の掘立柱建物が再現されており、出土品を展示する施設もあります。
参考
- JR東日本 大人の休日倶楽部 公式サイト(https://www.jreast.co.jp/otona/)
- 青森県立美術館 公式サイト(https://www.aomori-museum.jp/)
- 三内丸山遺跡 公式サイト(https://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/)
- 棟方志功記念館 公式サイト(https://munakatashiko-museum.jp/)