巨大マンタとサメの楽園「メキシコのガラパゴス」
絶海の火山群島で出会う、地球上でいちばん豪快な海
鮮やかなマリンブルー、世界中のダイバーを魅了する海の世界。地球の営みはこの星に様々な景色を刻んできました。
との鈴木亮平さんのナレーションで始まった2026年7月12日TBS世界遺産のテレビ放映。この回は火山という切り口で4つの世界遺産が紹介されました。
世界遺産に興味があっても4か所とも行くにはなかなかハードルが高そうですが、世界遺産ファンとしては、ぜひとも押さえておきたい情報です。このブログでは、そのうち「レビジャヒヘド諸島」を取り上げます。
でもジンベイザメやマンタが見たいのであれば、ハードルをグッと下げて、アクティブになりたい旅好きシニアでも行けるところがありました。
レビジャヒヘド諸島の場所を地図で確認しました。
レビジャヒヘド諸島は、メキシコ・バハカリフォルニア半島の南西沖、太平洋上に浮かぶ4つの火山島です。本土からもっとも近いカボサンルーカスから南西へ約390km、船で丸一日以上かかる絶海の孤島です。
地図中心:ソコロ島・サン ベネディクト島付近(北緯18.78°、西経110.98°)
レビジャヒヘド諸島が世界遺産となったのは
(1)世界遺産の登録根拠
サン・ベネディクト島、ソコロ島、ロカ・パルティーダ島、クラリオン島の4つの火山島と周辺海域が、2016年に世界自然遺産として登録されました。諸島を含む周辺約15万平方キロメートルはレビジャヒヘド国立公園としてメキシコ海軍によって保護されています。
| 登録年 | 2016年(第40回世界遺産委員会・イスタンブル) |
|---|---|
| 登録基準 | (vii)類まれな自然美 (ix)進行中の生態学的過程の顕著な見本 (x)生物多様性保全上、最も重要な自然生息地 |
| 通称 | 「メキシコのガラパゴス」 |
(2)自然保護・政治・軍事・リスクなど配慮すべきこと
- 自然保護:周辺海域には最大20種のサメ、オニイトマキエイなどのエイ、ザトウクジラ、イルカ、ウミガメが生息し、少なくとも33種の固有植物、複数の固有種鳥類が確認されています。2004年にはラムサール条約登録地にもなっています。
- 軍事:この諸島はメキシコ海軍が管理・警備する国立公園です。ソコロ島には海軍基地があり、一般の人が自由に上陸することはできません。訪問はダイビング船からの海域利用に限られます。
- 政治的配慮:保護区域はサメの行動範囲調査の結果を受けて7倍に拡張され、周辺での掘削・漁業・観光開発が規制されています。メキシコ政府の海洋保護政策の象徴的な存在で、渡航そのものに政治リスクはありませんが、環境規制の順守が強く求められます。
- リスク:絶海の孤島のため救急搬送に時間がかかること、外洋のうねりや強い海流があることから、上級者向けのダイビングエリアとされています。

レビジャヒヘド諸島に行くには
(1)個人での訪問
個人で船をチャーターして訪れることは事実上不可能です。海軍管理下の国立公園であり、認可を受けたリブアボード(宿泊設備付きダイビング船)に乗船することが唯一のアクセス手段です。
(2)ツアーの有無
| 国内旅行会社 | ダイブナビ、ワールドエクスプローラ等のダイビング専門旅行会社がリブアボードクルーズを取り扱っています。 |
|---|---|
| 現地ツアー会社 | Nautilus Undersea、Rocio del Mar、Solmar Vなど複数のリブアボード船会社が運航。ベルトラ(VELTRA)では現時点でレビジャヒヘド発着の直接予約は少なく、日本語対応は国内ダイビング専門会社経由が主流です。 |
(3)日本からの到着までのルート・日数
- 日本 →(乗継便)→ ロサンゼルスまたはメキシコシティ経由 → カボサンルーカス(ロス・カボス国際空港)
- カボサンルーカスの港からクルーズ船で約24〜30時間かけて諸島へ
- クルーズ日程は往復含めて約12日間が標準です。日本からの移動日を含めると、全体で2週間程度を見込む必要があります。
(4)必要な手続き
- メキシコ入国にビザは不要(観光目的、180日以内の日本国籍者)。
- 国立公園の入域料(パークフィー)はクルーズ料金に含まれる場合と別途徴収される場合があり、予約時に要確認。
- ダイビング資格(オープンウォーター以上)と、船会社によっては経験本数の証明が必要です。
レビジャヒヘド諸島の気候とベストシーズンは
(1)年間を通しての気候
クルーズが運航されるのは、比較的海が穏やかな11月〜5月(会社によっては〜7月)のみです。それ以外の時期は海が荒れるため、運航そのものが行われません。水温はシーズンを通じて20〜27℃程度で変動し、1〜4月は水温が特に低くなります。
(2)アクティビティ別ベストシーズン
| ダイビング全般 | 11月〜5月(シーズン外は運航なし) |
|---|---|
| ザトウクジラ | 1〜4月、水温が低くなる時期に遭遇率が上がる |
| ジンベエザメ | シーズン後半(4〜5月頃)に遭遇することがある |
| ジャイアントマンタ・ハンマーヘッド | シーズン中はほぼ通年で遭遇のチャンスがあるレギュラー種 |
行くには相当ハードルが高いので代わりを考えてみました。
日本で体験できる場所
沖縄美ら海水族館(沖縄県国頭郡本部町)では、深さ10m・幅35m・奥行27m、7,500㎥の「黒潮の海」大水槽で、ジンベエザメとナンヨウマンタを間近に観察できます。飼育中のジンベエザメは2026年3月で満31年を迎える世界最長飼育記録を保持しています。

沖縄美ら海水族館 沖縄県国頭郡本部町字石川424 公式:churaumi.okinawa
沖縄美ら海水族館に家族で行ったとき、ジンベエザメをバックに写真を撮りましたが、現像(久しく使っていない言葉ですね)すると、逆光とピンボケでした。今のスマートフォンだとうまく撮れるのでしょうね。

ほかの海外
「大型海洋生物との遭遇」という体験の本質は近いまま、アクセスの負担を下げたい場合はパラオ(ミクロネシア)が代表的な代替先です。日本から直行便で約4〜5時間、ブルーコーナーやジャーマンチャネルではマンタ・ハンマーヘッド・多種のサメが定番で見られ、ダイビングビギナー〜中級者でも参加しやすいツアーが豊富です。
参考情報源(URL)
- UNESCO World Heritage Centre:https://whc.unesco.org/en/list/1510
- Wikipedia日本語版「レビジャヒヘド諸島」:ja.wikipedia.org
- Ramsar Sites Information Service:rsis.ramsar.org
- 沖縄美ら海水族館 公式サイト:churaumi.okinawa
- ダイブナビ「ソコロ」ページ(民間・ツアー相場の参考):divenavi.com/Socorro